離婚の際には、子供に関わる問題がいくつかあります。その中でも特に重要となるのは、親権・面会交流・養育費の3点です。
■親権
・親権とは
親権は、未成年に対する親の権利でもあり、義務でもあります。同時に、親権者の決定は離婚成立の要件でもあります(民法第819条1項)。親権は、身上監護権(820条、821条、822条、823条)と財産管理権(824条)の2種類に大別されます。
身上監護権とは、子供の世話や教育を行う権利、居所指定権、懲戒権、職業許可権を指します。
財産管理権とは、子供名義の財産の管理や、法定代理人としての法律行為を行う権利・義務です。
必ずしも夫婦の一方が親権と監護権を持つ必要はありません。両親をそれぞれ親権者と監護者に分けることもできます。しかし、両親が権利を分割することで子が悪影響を受けるおそれもあるため、家庭裁判所がこのような判断を下すことは多くありません。
・親権者の決め方
親権者の決定は、基本的には夫婦での話し合いによって行います。合意が難しい場合は、家庭裁判所で決定することになります。この場合、親権以外の問題も調停で解決した方が効率的です。調停目的を親権者の指定に限定するよりも、離婚調停という形で申立てを行うのがよいでしょう。
どちらが親権者になるかという問題では、子の将来のためという観点を最優先に判断が下されます。一般的な傾向として、子が幼少のうちは細やかな世話を行う母親の役割が重視されますが、子の年齢が高くなるにつれて子の希望が尊重されるようになります。
最終的には、どちらが子の面倒をよく見ているのかという点が重要になります。
■面会交流
面会交流とは、子と離れて暮らすようになった親が子と面会することをいいます。
ここでの決定に際しても、親権者の決定時と同様、子供の利益が最優先されます。子供が暴力を受ける危険がある場合や、子供が面会を拒否している場合などを除き、裁判所は面会の権利を認めています。
■養育費
養育費とは、子の生活に必要な費用のことを指します。親権をもたない親も、養育費の支払い義務を負います。方法としては、毎月一定額を振り込むというものが一般的です。
負担額は子の人数や年齢によっても変わるので、家庭裁判所では「養育費の算定表」が活用されています。諸条件に照らしてどれくらいの金額が妥当とされているか、調べてみるとよいでしょう。
ひろせ法律事務所は、東京都(23区、多摩地域)、神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県を中心に、親権と監護権、離婚と養育費、離婚後の面会などといった様々な離婚問題に関する相談を承っております。お悩みの際にはお気軽に当事務所までご相談ください。
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