成年後見とは、判断能力が十分でないものに対して、その行為の取り消し権などを認めることによって、本人の保護を図ろうとする制度です。
■かつての禁治産者制度
かつて成年後見制度の前に2000年4月まで行われていた禁治産制度は、不平等な制度でした。
まず、禁治産者として認定されると、戸籍にその旨が記載されていました。
そのため、戸籍を「穢す」と感じる方も多く、名称が差別的なこともあって、あまり積極的には利用されてきませんでした。
また、禁治産制度を認定するには鑑定が必要で、その費用は平均50万円ともいわれる高額なものでした。
さらに、禁治産制度に該当すると、弁護士、医者、その他の職約200を剥奪される欠格事由になります。
また、かつては選挙権も剥奪されており、一度宣告を受けると、社会生活はできなくなるとして批判されていました。
■成年後見制度と禁治産制度の違い
介護保険制度の開始にともなって、成年後見制度が開始されました。
成年後見制度と準禁治産制度との違いとして、3点があります。
①ノーマライゼーション(共生化)
成年後見制度という名称により差別的なイメージが薄まりました。また、戸籍への記載はなくなり、別に登記を行うようになりました。
②自己決定権の尊重
③生活・医療・介護といった身上保護を重視
民法858条は、成年後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うにあたっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない旨定めています。
当職は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、23区、多摩地域を中心に1都3県などで、制度人、保佐人、補助人、法定後見人、家族信託、財産管理契約、後見開始の審判の申し立てなど、様々な成年後見問題全般について法律相談を承っております。
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