■過払い金の元本には税金はかからない
2010年6月17日以前にカードローンを利用して金銭を借り入れた方は、返済の際に、「グレーゾーン金利」に基づく高額な金利を支払っている可能性があります。このうち利息制限法の上限を超える部分については、法律上支払う必要がなかったということになりますから、消費者から業者に対して返還を請求することができる可能性があります。
それでは、過払い金の返還を受けた場合、ここには税金が発生するでしょうか。
人が金銭を受け取った場合、それが収入にあたれば、所得税が課されます。過払い金の返還を受けた人は、本来自分のもとにあるべき金銭を回復しただけですから、これによって収入を得ているわけではありません。したがって、過払い金の元本については、所得税は発生しません。
ただし、カードローンを返済した際に、返済額や利息を必要経費に入れて確定申告を行っていた場合には、必要経費として一度は所得から外していたものが戻ってきたことになりますから、返還された過払い金を改めて収入として扱う必要があります。
■過払い金の利息には所得税が発生する
法定上限を超えた利息を受け取っていた貸金業者は、返還までの間、この金銭を自由に利用できていたことになります。そのため、過払い金の返還を請求する場合には、過払い金そのものの金額(元本)に加えて、利息(遅延損害金)の支払いを求めることも多いです。
利息は金銭を一定期間利用させたことへの対価ですから、利息の支払いを受けた人は経済的利益を受けることになります。したがって、過払い金返還の際に利息を受け取った場合、利息の部分は収入にあたり、所得税が発生します。
ただし、会社従業員として給与を受け取っている人は、20万円以下の雑所得について確定申告をする必要がありません。そのため、過払い金の利息を受け取った場合であっても、これが他の雑所得と合計して20万円を超えないのであれば、確定申告は不要となります。
返還された過払い金に税金はかかるのか
ひろせ法律事務所が提供する基礎知識
-
個人再生が不認可となら...
■個人再生とは? 個人再生とは、債務者が債務(借金)の履行を滞らせてしまった場合に、裁判所が債務をおお...
-
子どもの親権を変更する...
子どもの親権者を変更するためには、「親権者変更調停」という調停を申し立てることとなります。親権者変更調...
-
審判離婚
審判離婚とは、調停離婚が不調に終わった際、家庭裁判所の審判によって離婚を成立させる方法です。 調停がう...
-
調停離婚
調停離婚とは、当事者の申し立てにより、家庭裁判所の調停によって離婚を成立させる方法です。 たとえ離婚...
-
相続の手続き方法
相続は、調査、遺産分割、相続税申告、名義変更という流れで行います。 ■調査 まず、遺言の有無、法定相...
-
離婚後の氏と戸籍
■離婚による復氏 民法では、750条で「夫婦は、婚姻の際に、定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」...
-
連絡が取れない相続人が...
大切な人が亡くなり相続が開始して、相続人を調査した結果、連絡が取れない相続人がいる場合も多くあります...
-
相続財産調査は自分でで...
親族が亡くなった場合、次に発生するのが遺産相続の問題です。 この問題を解決するためには、まずは何...
-
遺言が無効になるケースとは
一般的に、遺言は遺言者の死亡の時からその効力が生じます(民法885条1項)。しかし、遺言者の死亡後に遺...
よく検索されるキーワード
-
成年後見・高齢者後見に関するキーワード