■面会交流権とは
面会交流権とは,離婚等によって子どもと離れて暮らしている親が(以下、非監護親)、子どもと直接会ったり、電話や文通等によって親子の交流をすることができる権利のことをいいます。
父母が離婚するときには、父又は母と子との面会及びその他の交流を協議によって定めるべきとされています。また、この場合、子の利益を最優先に考慮しなければならないとも規定されています(766条)。
なお、面会交流権は、協議離婚に限らず、調停離婚や裁判離婚の場合にも同様に認められています(771条)。
面会交流権は、離婚後の夫婦の場合だけでなく、離婚前に別居している状態の場合であっても、非監護親は子どもとの面会を請求することができます。
また、結婚をしてはいないが、子どもを認知している場合においても、認知している子どもとの面会交流権が認められています。
■面会交流方法
面会交流方法は、当事者(または代理人)同士の話し合いによって,面会交流の可否やその方法、子との連絡、回数、日時、一回の面会時間、受け渡し場所や面会場所、宿泊の有無、付き添い人の有無等について協議して決定します。これらの決定事項は離婚協議書に記載します。
当事者間の話し合いによる解決が難しい場合には、家庭裁判所が関与し、面会交流調停や面会交流審判によって面会交流の方法を定めます。
■面会交流調停
面会交流調停とは、家庭裁判所の調停手続きによって、親子の面会交流の方法を取り決める手続きのことをいいます。
面会交流は、子どもの健全な成長を助けるようなものである必要があるので、調停手続きでは、子どもの年齢、性別、性格、就学の有無、生活のリズム、生活環境等を考慮し、子どもに精神的な負担をかけることのないように十分配慮して、子どもの意向を尊重した取決めができるように、話合いが進められます。
面会交流調停は、調停であるため、裁判所の調停委員が夫婦の間に関与し、相手方と顔を合わさずに話を進められ、また、子どもを裁判所に連れてくる必要もありません。
もっとも、面会交流の方法を決めるため、相手と子どもの試行面接を行うこともあり、その場合には、子どもを裁判所に連れてくる必要があります。
また、裁判所による、子どもの状態や現状、それぞれの親についての調査が行われることもあり、家庭裁判所の調査官が自宅にやってきて子どもと話したり、子どもの様子を確認します。
このように、話合いや裁判所による調査によって、当事者が面会交流方法について合意した場合にその内容で調停が成立し、面会交流が実施されるようになります。
しかし、調停による話し合いをしても、面会交流の合意に至らず、調停が不成立となる場合もあります。
■面会交流審判
面会交流調停が不成立になった場合は、面会交流審判が開始されます。面会交流審判では、裁判官が強制的に面会交流の方法を定めることとなります。
面会交流審判が行われる際には、家庭裁判所の調査官による調査が実施され、その内容を考慮した上で面会交流方法が決定されます。
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面会交流権
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