■家族信託とは
家族信託とは、財産を家族に預けて管理・運用してもらうことをいいます。
財産を預ける人は委託者、預かる人は受託者と呼ばれ、財産の管理・運用から生じた利益を受け取る人は受益者と呼ばれます。受託者がそのまま受益者として利益を受け取る場合もありますし、受託者以外の人が受益者になる場合もあります。
家族信託では、信託銀行や信託会社が受託者となる商事信託と違って、委託者の家族が受託者となります。そのため、委託報酬を抑えることができます。また、財産の運用益を子に受け取らせるなどして相続対策として活用することもできます。
■成年後見制度とは
成年後見制度とは、認知症等により判断能力が不十分となった本人のために、後見人等が財産管理や身上保護を行う制度です。
成年後見制度には法定後見と任意後見の2種類があります。
法定後見は、既に判断能力が不十分となっている本人のために、裁判所での手続きを経て後見人等を選任し、後見等を開始するという制度です。法定後見は本人の判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助の3種類に分かれており、後見人等の権限の範囲もそれぞれ異なります。
任意後見は、判断能力が低下するのに備えて本人が後見人を依頼しておき、実際に判断能力が不十分となったタイミングで後見を開始する制度です。任意後見では本人の意思で後見人を選べるというメリットがありますが、後見人の取消権が認められない等、法定後見と比べて後見人の権限が弱いというデメリットもあります。
■家族信託と成年後見制度の違い
〇財産管理の柔軟性
家族信託の内容は、委託者・受託者間の契約によって柔軟に決めることができます。したがって、財産の範囲やその管理・運用方法も自由に決定することができ、積極的な資産運用や、不動産の売却といった処分も契約次第では可能になります。
他方で、成年後見制度では本人の財産を守ることが目的とされるため、家族信託のような積極的な運用・処分は難しくなっています。
〇身上監護権
成年後見制度における後見人は、財産管理のみならず身上監護権をも持っています。したがって、後見人は本人の生活環境を整えるのに必要な事務についても代理権を持ち、介護施設への入所契約等を締結することもできます。
家族信託は財産管理を委託内容とする契約であるため、家族が受託者としての権限に基づいて身上監護に関わる契約を結ぶことはできません。
〇費用
家族信託では、本人の家族が受託者となるため、財産管理を行うことについての報酬が発生しないのが一般的です。
これに対して、成年後見では裁判所が後見人を選任するため、家族以外が後見人となることもあり得ます。また、資産の状況によっては後見監督人(後見人の財産管理の適正をチェックする人)が選任されることもあります。
したがって、財産管理報酬は家族信託と比べて高くなる場合があります。
家族信託と成年後見人制度の違い
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