法人
多くの人が最も身近に感じる法人といえば、株式会社や合同会社といった会社ではないでしょうか。
会社は、事業活動を目的に活動する法人であるため、営利を追求する際に、利害の衝突から様々な問題が発生することがあります。
会社法人に関する法人問題には、企業間の契約問題や、企業コンプライアンス、雇用形態や残業代などといった問題があります。
ここでは、会社法人に関する法人問題の中でも、近年、社会問題化している、残業代の請求問題についてみていきます。
■残業代の請求問題
・証拠収集
今や深刻な社会問題となっている残業代の未払いは、会社が従業員に対して負う賃金の支払い義務を怠る行為です。
会社は、民事上の責任を当然に負いますが、労働基準法が刑事責任についても予定していることから、悪質な場合には、刑事上の責任も負うことになります。
残業代の未払いの請求を考えている場合、まずは証拠の収集が重要となります。
有力な証拠として、雇用契約書や就業規則のコピーといった関係書類、タイムカードや日報・勤務記録などの始業・終業時刻を立証できるもの、残業指示書などといった残業内容を証明できるものを用意する必要があります。
・実際の請求方法
証拠が集まったら、具体的にはどのような手段で残業代の未払い請求をすればいいのでしょうか。
①会社と直接交渉する
会社と労働者が直接話すことで、早期解決をはかることができますが、そもそも会社側が話し合いに応じてくれるかが問題となります。労働者が今後もその会社に在籍する場合、さらなるトラブルが生じる可能性もあります。
②労働基準監督署に申告する場合
匿名で申告することができたり、きちんとした証拠を揃えていれば、正確な残業代の計算を行ってくれるなど、社外の相談先として適しています。
③通常の訴訟で請求する場合
裁判所に訴えを起こし、未払い残業代を請求する方法です。弁護士の依頼費用や、裁判が公開されるため実名が公になるなど、いくつかのデメリットはありますが、残業代の未払い分に加えて、労働基準法上の割増賃金と同額の付加金、また遅延損害金についても同時に請求することができます。
④労働審判で請求する場合
「労働審判」とは、労働問題の早急な解決をするための法的手続きをいいます。通常の訴訟よりも短期間での解決を期待することができます。
以上が、残業代の未払い請求の説明となります。残業代の請求には2年という時効があるため、実際に請求する場合には、迅速な対応が必要となるので注意しましょう。
弁護士 廣瀬 太亮が提供する基礎知識
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